「YouTube FanFest 2019 #YTFF ミュージックライブショー」を通じて知ったこと

12月5日に幕張メッセイベントホールで行われた「YouTube FanFest 2019 #YTFF ミュージックライブショー」に行ってきました。完全に遊びというか、チケット当たった!ありがとう!!という気持ちでフラッと参加したのですが、YouTubeさんのさまざまなお取り組みをがつーん!と紹介してくださる場、という印象を受けたというか。なので、覚書程度に書いていきたいと思います。ちなみにYouTuberやクリエイターの方々に関しては、私はかなり無知です。ついでに言うと、ライブパフォーマンスに関してはあまり触れていません。パフォーマンスについては、Real Soundさんを!ご覧ください!

当日の盛り上がりはこんな感じです(Snow Manの動画より)


そもそも「YouTube FanFest」とは

私自身もあまり縁がなかった「YouTubeFanFest」ですが…

YouTube FanFest とは YouTube 上で高い人気を誇るクリエイターやアーティストと、そのファンが集うライブイベントです。2013 年より、アジアを中心に 11 ヵ国にて開催され、2015 年以降はカナダ、ブラジルにおいても実施されるなど、世界規模のイベントへと発展しました。 

(オフィシャルサイトより)


日本での1回目の開催は2014年10月19日(日)にEX THEATER ROPPONGI。出演者は、バイリンガールちか、Daichi、フレディー・ウォン、iNDIGO BLUE、 HIFANA、HIKAKIN、Marquese Scott , マックスむらい、財部亮治、Team Black Starz、WORLD ORDER、WRECKING CREW ORCHESTRAほか、とのこと。当時の映像はこちらから見られます。

YouTubeで話題になっている人気のクリエイターの方々はもちろん、2016年はピコ太郎やコバソロが(調べていたらRADIO FISHも出てきたけどサプライズなのかな…?)、2017年にはきゃりーぱみゅぱみゅ、岡崎体育、DAOKO、ReNといったYouTubeからもさまざまなトピックを届けてくれたアーティストたちも出演。2018年は1日で「Red Carpet」と「Music」の構成に分かれ、「Music」には、コブクロ、水曜日のカンパネラ、スカイピース、SixTONES、TWICE、Fischer's-フィッシャーズ-が登場。豪華なフェス感というか、「MUSIC STATION」みたいなラインナップだなぁという印象を受けました。


2019年のYouTube FanFest 2019 #YTFFは

2日間に渡っての開催となった2019年は、クリエイターの方達が集まる「is presented」を1日目に、音楽系の出演者による「ミュージックライブ」が2日目にスタンバイ。私が参加したのは2日目なのですが、ラインナップは、ACE COLLECTION(登録者数18万人)、SIRUP(同8万人)、Snow Man(ジャニーズJr.チャンネル/同77万人)、ちゃんみな(同34万人)、wacci(同9万人)の5組です。

YouTubeの登録チャンネル数に関する個人的な参考値ですが、初日のYouTuberのみなさんの登録者数は、HIKAKINさんの「HIKAKIN TV」は783万人、はじめしゃちょーさんは826万人(動画を公開したら800万人前後に通知が行く世界って凄い…)です。

こう書くと、「ミュージックライブショー」出演者の登録数に比べると桁が違う印象を受けますが、毎日定期的に動画を公開されているクリエイターの方達と比べて、J-POPの場合は主に音楽関連(MVやライブ、トレイラーなど)の動画を告知タイミングで、かつ不定期でアップすることが多いのと、登録をしていなくてもTwitterや各ニュースサイトで採り上げられるため、そこまで登録者数が伸びない傾向はあるかなと。例えばMr.Childrenだと79万人、きゃりーぱみゅぱみゅさんで60万人、岡崎体育さんの個人の公式だと11万人ぐらい(岡崎体育さんは、ミュージックビデオはソニーさんのアカウントにあがっている)。ちなみに米津くんは457万人、ヒゲダンで114万人。

今回の出演者でいうと、バンドを結成して、カヴァー動画の配信を3ヶ月間毎日実施、半年で10万人まで登録者数を伸ばしたACE COLLECTIONと、水〜日の20時に曜日&グループ別でコンテンツをアップしているジャニーズJr.チャンネルは、先ほどのJ-POPの場合の使い方とは少し異なっていると感じています。


YouTubeさんの2019年の音楽での取り組みの紹介

ライブ自体の話はReal Soundさんの記事に書かれているので、私が気になった部分を。

今回、約2時間の内容だったのですが、1組あたりのパフォーマンスは2曲(トリのSnow Manは3曲ですが、2曲目にやった曲がフルではなくワンハーフ)。バンドが多いので転換の時間は出演者とのトークと2019年のYouTubeの音楽の取り組みを映像で振り返る、という内容でした。おおよそこんな感じ。


・「FUJI ROCK FES」と「SUMMER SONIC」の両方のライブ配信を実施(フジは「ROOKIE A GO-GOが紹介されていました)

・「YouTube Space Tokyo」を使っての取り組みの紹介(「YouTube Music Night」「DRIP TOKYO」、ミュージック・ビデオ制作など)

・YouTube Rewind 国内年間トップトレンド音楽動画2019​の発表


この中の「YouTube Space Tokyo」のパートが、一番力を入れて紹介してた部分な気はしていて。2013年に六本木に誕生した「YouTube Space Tokyo」は、YouTubeのアカウントの登録者数が一定数以上のクリエイターやアーティストを対象に、撮影スタジオ、グリーンスクリーン、レコーディングスタジオ、編集ルームなどの施設と最先端の映像制作用機材を無料で提供している、という場所です(めちゃくちゃすごいというか、ありがたい話)。


例えば、トーク系のコンテンツを配信したり

 アコースティックライブを配信したり(「YouTube Music Night」や、SPACE SHOWER TV×J-WAVEの「DRIP TOKYO」など)

YouTube Music Night、過去にはOfficial髭男dismやDAOKO、向井太一など

DRIP TOKYOは、NOT WONK、SASUKE、折坂悠太、SIRUP、中村佳穂、七尾旅人など。


ライブ映像を撮影したり

と、いろいろなパターンが紹介されていました。コメントを寄せていたアーティストもいて、要注目の新人から話題のアーティストまで、配信時代の騎手!といったラインナップ。YouTube Space TokyoのHPにもありますが

東京は世界でも特にオリジナリティにあふれた場所で、都市そのものと同じくらい斬新で表現力豊かなクリエイターやアーティストが活躍しています。東京の YouTube Space にはこうしたクリエイターたちが集まり、コラボレーションしたり、優れた動画を生み出したり、経験を共有したりしています。

という選定基準と考えると、なるほどと。2020年には渋谷に移転オープンすることも発表されていて、どういった形で進んでいくのか個人的に楽しみです。


YouTube Rewind 国内年間トップトレンド音楽動画2019​は、いわゆる再生回数TOP10的なやつです。プレイリストはこちら

もちろん1位は各ストリーミングサイト総ナメのこの曲だ!


ライブアクトは異なるカラーを持ちながらYouTubeらしいラインナップ

ここからは、ライブアクト5組の特徴と言いますか、印象だったり、なるほど〜と思ったことをまとめていきます。


圧倒的なセルフプロデュース力でYouTubeで話題となり、次世代の騎手となったACE COLLECTION

今回の出演者のなかでは若手、期待のホープ!であるACE COLLECTION。アッパーな「December 9」やバラードで会場を沸かせ、10〜20代の女の子たちが、彼らのタオルをかけて応援している様子がとても印象的でした。

2017年12月の結成日からカヴァー動画の配信を3ヶ月間毎日実施し、半年間で登録者数が10万人を突破。彼らの代表的な動画といえば、こちら。

ヴォーカルのたつやくんはツイキャスやTwitterでのカヴァー動画などでかなり知られた存在だったけど、ACE COLLECTIONの撮影の仕方やアレンジといったセルフ・プロデュース力の高さは凄い。2020年にはZEPP TOURも決定しています。

そして、トーク・パートでも話題に挙がっていましたが、2019年の春に、YouTube Music主催の今後の活躍が期待される若手アーティストの支援を目的としたプログラム「Foundry」に日本から唯一選出。

YouTubeさんの規模感…!


SIRUPとちゃんみなは「東京は世界でも特にオリジナリティにあふれた場所を体現している」2組

先ほどの「YouTube Space Tokyo」の話のなかに出てきた「東京は世界でも特にオリジナリティにあふれた場所を体現している」という部分にぴったりだと感じたのがSIRUPとちゃんみなの2組。

R&Bやソウル、ヒップホップといった音楽をベースに自在なヴォーカル・スタイルで高い人気を得ているSIRUP。2018年に発表した「Do Well」が、2019年の冬にHONDAのCMに起用(HONDAといえば、Suchmos「STAY TUNE」やNulbarich「NEW ERA」といった楽曲のロング・ヒットの立役者)。ライヴでは、カップルや男の子のリスナーがめちゃくちゃ盛り上がっていました。

日本語、英語、韓国語を操るトリリンガルのアーティストとして高い注目を集めているちゃんみなは、楽曲のクールさはもちろん、ブラックライトを当てて光る蛍光塗料を使ったパフォーマンス(暗くなると仮面のようなペイントが浮かび上がる)も印象的。MVはポップなんですけど、貼っておきます。


「YouTubeのコメント欄もバズった」というwacci

SNSで話題になった「別の人の彼女になったよ」を引っさげての登場となったwacci。曲の感想はもちろんですが、聴いたリスナーが、自らの恋愛経験をコメント欄に次々と投稿、現在までにトータルで9500件以上のコメントが寄せられている、というのが凄いなと…。カヴァーの動画もたくさんあがっていて(路上でこの曲を歌っている人にメンバーも遭遇したそうです)、ヴォーカルのはしぐちさんもTwitterで「今年一番広がってくれた一曲」とつぶやいていました。歌詞が切ないよなぁ…。

YouTubeのバズりかたで「コメント欄がバズる」って結構珍しいと思ってて。そういうこともあるんだなあと。


楽曲関連動画はもちろん、キャラを活かしたバラエティ系動画も人気のSnow Man

昨年のYTFFはSixTONESが登場したことも話題になりましたが、2019年はSnow Manが登場。2018年の春に開設した「ジャニーズJr.チャンネル」は、この夏にSixTONESが卒業、現在はSnow Man(水曜)、Travis Japan(木曜)、7MEN侍(金曜)、美 少年(土曜)、HiHi Jets(日曜)が、毎週各曜日の20時にオリジナルのバラエティ・コンテンツや、ライブ映像、定点でのパフォーマンス動画を中心に公開中。なかには1週間で再生回数100万回を突破するコンテンツもあります。

1週間で100万回を突破した最新作は、MC内でハリー杉山さんも触れてたこの「人狼ゲーム」(人狼ゲームの詳しい説明はこちら)。人狼ゲームは、市民の中に人狼が混じっていて、人狼は夜になると人を食い殺してしまうので、人狼を殺す目的で1日1人処刑をする人を決めていくというテーブルトークRPG。人狼と市民が同じ人数になると、人狼の勝利、人狼を全員殺すと市民の勝利となります。市民なのになぜかすぐに殺されてしまう佐久間くんや、3回目なのにルールを覚えていないという渡辺くんなど、9人それぞれのキャラクターが出ていて面白い。ジャニーズJr.チャンネルは、最近だと美 少年がはじめしゃちょーとコラボした動画を公開したことも話題に。

Snow Manは2020年にCDデビューを控えているので、他の4組と違ってCDのリリースはこれからですが、すでに横浜アリーナをソールドアウトさせる人気を誇っており、YTFFの当日も大変盛り上がっていました。この記事の最初に当日の動画も貼ってあるのでよかったらどうぞ。


最後に

日本では、2018年の秋からYouTubeMusicが本格的にスタート。SpotifyやApple Music、LINE MUSICといったサブスクもどんどん浸透しているなかで、YouTubeの音楽コンテンツのいまや、目指していくもの、トレンドといった部分をリアルに感じることができたイベントだったなと思います。やっぱり気になったのは、YouTubeSpaceTokyoが移転によって、どういう形で見せていくのか。出来上がったら見に行きたいなぁと思った次第です。