初歌舞伎に行く〜ABKAI「SANEMORI」がとても楽しかった話

少し前の日記で「市川海老蔵 第五回自主公演 ABKAI 2019~第1章 FINAL~『SANEMORI』」を見に行った話をしたのですが、自分の想像をはるかに超えるわかりやすさと、ちょっとしたお手軽さ、みたいなものを感じました。私のようなにわかが言うのも…とは思ったりもするんですが、新しいものを初めて体験する、ということもあまりなくなってきてはいるので、感想をざっと書いていこうかな思います。


チケットの話

もともと一公演だけチケットが取れていたのですが、今回の「ABKAI」の場合は座席指定券が完売したあとに「立ち見当日引換券」の販売がありまして…。しかも一等席が12,000円なのに対して、中二階の立ち見は4000円。一般発売からかなり経った状態でのお立ち見席の販売スタート=公演が近くなってからフラッと行ける、という感じは非常にありがたいなと思いました。実際、私も中二階の立ち見でもみましたが、舞台上での見切れは多少あるものの、本編は問題なく見れました。カーテンコールでお客さまが立ち上がると見えないぐらい。シアターコクーンが狭い会場だっていうのもあるのかもしれません。


演目について

今回の「ABKAI」のタイトルは「SANEMORI」で、「源平布引滝~義賢最期・実盛物語」という演目をモチーフにしています。平安末期で平家と源氏が戦っている時代を生きた、斉藤実盛に関するお話。ちょっとお恥ずかしい話なのですが、歴史は好きだけど平安時代に全く明るくない私…。「言い回しが難しそうだな…。内容がわからなかったらどうしよう…」と思いましたが、歌舞伎 on the webをはじめ、結構いろんなブログやホームページで解説がされていて、非常にありがたかったです(強いて言えば、オフィシャルに相関図みたいなものがあったらよりわかりやすいような気はしました)。歌舞伎は調べていったほうが楽しめる、というのは本当だなと。松竹さんが運営している「歌舞伎美人」というサイトの記者会見の記事だと、このお話の中で「手」を「かいな」と呼ぶっていう話がちゃんと書かれているんだけど、ここすごい重要な話なので、読んでいってよかった。

「SANEMORI」の場合は、「実盛の白髪染め」の数日前だと思われるシーンからスタート、時間軸が巻き戻って義賢最期→実盛物語→(時間軸が冒頭のシーンに戻る)→実盛の白髪染め本編、という流れで構成されているんだと思うのですが、ジャニーズJr.の2人の役どころである木曽義仲と手塚太郎は、「実盛物語」だと義仲は生まれたばかり、太郎は7歳なので、冒頭に成人した義仲と太郎が出てくる「実盛の白髪染め」の部分が入ることで、彼らを目当てに見に来ている人にも優しく、「源平布引滝」部分に入っても2人がストーリーテラー的に補足説明を入れてくれるのでありがたかったです(太郎役の阿部くんが滝の場所の説明をするときに「今でいう神戸のあたりですが」って補足入れたのちょっと笑った)。

あと、私はほかの「源平布引滝~義賢最期・実盛物語」を見たことがないのでわからないのですが、登場人物が最小限でわかりやすかった。歌舞伎 on the webの相関図で出てくる待宵姫は出てこなかったし、九郎助の甥っぽい人はいたけど、劇中では明言されてなかった気がする。


かなり主観的な感想

派手な動きや演出もガツガツ入ってくるので、本当に時間があっという間。2幕の「実盛物語」の琵琶湖と船のシーンは壮大だったし、馬が出てくるところとか「動きがすごい…!」と改めて思ったり。ステージはもちろん、通路も後ろのほうまで使うので、どのお席でも演者が近い!最初に見たときは中央より前の席だったんだけど、中央通路を使う場面もふんだんにあったので、よく振り返って見てました。

そして何より、海老蔵さんがめちゃくちゃ綺麗。ブログにも書いたんだけど、こんなに美しい人がこの世にいるのか…と思ってしまうぐらいだった。そして、中村児太郎さんの美しさにもハッとしました。色っぽい。うっかりオフィシャルサイトも見たし、次の公演も調べた。「本朝白雪姫譚話」めっちゃみたい。調べてみたらチケットあるじゃん。えっ行くしかないじゃん!? 

あと、脇を固める演者のみなさんの動きがとてもアクロバティック。「え!そんな宙を舞ったりするの!? 身体能力高すぎません!?」という場面がいくつもあったし、黒子の方々のお仕事もまったくソツがない。初見の感想が謎の「すごいみなさんアイドルじゃないですか…」だったんだけど、立ち振る舞いというか、動きがすごいんですよ。面白かったなぁ…。



ちなみに、Snow Manのお二人はこんな感じの出で立ちでございました。

左が手塚太郎役の阿部くん、右が木曽義仲役の宮舘くん。お二人とも似合ってました。

ちなみに最初に見たあと、斉藤実盛、源義賢、木曽義仲、手塚太郎のことをめちゃくちゃ調べました…(笑)。歴史はもっともっと学んでいかなければ…。歌舞伎もたぶん白雪姫は行くので(初めて歌舞伎座に行くなぁ)、そのあともいろいろ見にいきたいと思います。漫画「ぴんとこな」をすごい読んでたんだけど、それでもなかなか足を運ぶタイミングを失っていただけに「三人吉三」も見たいなぁ…。